nakayubi

書くための座標

路地、ストリートが語り出すとき

ひとつの歴史とは、それは無数の歴史を捨象していった結果に過ぎない。万世一系の天皇制の歴史とはすなわち皇位につけなかったものたちの歴史に他ならない。中上健次はそれを路地に見出した。中上の紀州サーガとは、それはともすると南朝の系譜にあるのかも…

大江健三郎『空の怪物アグイー』について。ここでは特に「不満足」「空の怪物アグイー」について記す。目下重要なのはこの二作品であるから。まず「不満足」だが、この小説はのちに『個人的な体験』に繋がっていく。ここでは、少年から青年への過渡期が描か…

8.18

純粋天皇の胎水しぶく暗黒星雲を下降する永久運動体が憂い顔のセヴンティーンを捕獲した八時十八分隣りの独房では幼女強制猥せつで練鑑にきた若者がかすかにオルガスムスの呻きを聞いて涙ぐんだという、ああ、なんていい……愛しい愛しいセヴンティーン縊死体…

寮の小説がかなり詰まっている。いっそのこと、大長編にしようと思う。二十万字くらいの。出てくるキャラクターが多すぎて書き分けが難しいので、エンタメ的手法を用いて予め設定を詰めておかなければならない。後輩Rのアフリカ行き、ロボットの入寮などもエ…

家庭を持つことはアンガージュマンだ。家族とは性的な空間であると同時に政治的な空間である。大江健三郎『個人的な体験』において、鳥(バード)は障碍児の「父」を引き受けることによって鳥(バード)はアンガージュマンしている。だが、それはかつての父では…

大江健三郎『個人的な体験』読了。この小説において、凡庸な言い方になってしまうが、大江健三郎はひとつの転換をとげている。『性的人間』に代表される作品群で示され現代を「どのように生きていくか」。それが具体的に障碍児として産まれてきた息子との同…

昨日はEさんが退寮して実元の家業を継ぐとのことだったのでパーティーをした。Eさんにはとてもお世話になったので友人たちと金を出し合ってワインを買ってプレゼントした。二年と少しの間、いつもどこかで顔を合わせていた人がいなくなるのは身を引き裂かれ…

柄谷行人『終焉をめぐって』を読み進めている。取り敢えずは160pまで流し読みしてそこからまた再読するつもりでいる。大江健三郎『万延元年のフットボール』と村上春樹『1973年のピンボール』の相違点についてはおもしろいと思った。まずもってタイトルがパ…

今週の土日はイベントが多く読書も殆どしていないし小説も一切進んでいない。土曜は山手線一周して池袋でYとYの彼女のAちゃんとYちゃんの四人で少し酒を飲んで日が変わるころに寮に帰ってきて風呂に入ってすぐ寝た。日曜は昼頃に起きて文フリの打ち上げに焼…

吉本隆明「母制論」「対幻想論」(『共同幻想論』)を再読した。よく考えれば演習発表にたいして必要ないので一旦区切ることにする。日夏耿之介『日夏耿之介詩集』がAmazonから届いた。ゴシック・ロマーン体と自ら称した文体は荘厳華麗奢侈であり、すらすらと…

大江健三郎『われらの時代』読了。近日中に何度も読み返すことになるだろう。後半にアンガージュマンについての示唆がある。また、英雄的な死についての示唆も。靖男は英雄的で滑稽ではない自殺が可能だと考えるが、それは果たして本当だろうか。英雄的な死…

日が空いた。飽きっぽいのはよくない。大江健三郎『われらの時代』を読み進めつつある。やはり『われらの時代』から始まり『性的人間』で一応は終わるこの時期(しかしこの時期に語られている問題は三島由紀夫事件をきっかけに再燃するのだが)の大江の意識と…

今日は何も読んでいない。反省。以下はメモとしてここに記しておく。①これ以降、寮の小説(タイトルを早く決めなければならない)において、テクスト自体を一次テクスト、テクスト内テクストを二次テクストと呼ぶ。つまり、寮の小説=一次テクスト、寮則=二次テ…

佐々木中『夜戦と永遠』第一部読了。70p近辺は再読の必要あり。根本的に精神分析の知識が欠けていることを痛感した。シニフィアンとは鏡である、という認識は正しいのか、もう一度考えなければならない。恐らく発表は象徴界についての話だけに留まることにな…

佐々木中『夜戦と永遠』第二部第四章「系譜原理と〈父〉ーー誰かの子であること、誰かの親であること」を流し読みした。演習発表と寮の小説の参考になる箇所多数。図書館が利用停止になっている間に『夜戦と永遠』は全て読むことにした。天皇=ファルスとして…

昨日は『日本国憲法』を読んだ。案外に短く読み易かった。寮の小説を書きたいと思っていてその参考になればと思ったが、寮則とはやはり性質がかなり違うものであるし、難しそうだと感じた。テクストの改変を小説に組み込みたいと思っているのだが、これは慎…

大江健三郎『共同生活』読了。なぜこの作品が『性的人間』『セヴンティーン』と共に収録されたかがまだよくわからない。もう一度解説を読んでよく考えてみなければならない。春日井建『未青年』読了。歌集を読むのは疲れる。気に入った歌をメモしておいた。…

5/15.16

昨日の記憶があまりない。確かバイトして部室でシャイニングを見た。五限に出て帰ってからは疲れていてすぐ寝てしまった気がする。今日は、総会の資料をYが作り損ねていて(新宿で酔い潰れていたらしい)、Yはそのまま地元に帰らなければいけなかったから代わ…

5/13.14

ここ数日疲れることが多くて日記を書くのも忘れていた。授業もサボりがちでフランス語とドイツ語を休んでしまったのでこの一週間は自習しておかなければならない。一昨日はNさんが寮に来たのでMと一緒に三人で酒を飲んだ。Nさんがついにもう一度小説を書き始…

5/12

朝起きてバイトに行ってそのまま部室でゲームをした。今日は授業がない日だったのでそのまま帰って夕飯を食べてYの誕生日会の準備をした。後輩を7人連れて近くのスーパーに行って5000円するシャンパンを買ってあとは10000円ほどビールやチューハイ…

5/11

結局村上春樹を150ページまで読んで6時頃に寝た。鼻水があまりに酷くて、そのせいか眠りが浅く、悪夢を二回見て二回とも起きてしまった。二回目に至っては自分のわっという声で起きた。結局三度寝して13時半に起きてシャツをアイロンがけしてシャワーを浴…

5/10

YとSさんとゲームをして朝を迎えてTと松屋で朝飯を食べた。5時間寝て13:30に起きて部屋の掃除と洗濯をした。5:30頃にシャワーを浴びて三島由紀夫の短編を読んだ。かなり観念的で不得要領だった。近くのスーパーで米とカレーと缶詰と野菜ジュースを買った。夕…